世の中の在庫的なモノ

製造業でお馴染み、在庫を取り上げてみます。在庫というとビジネス寄りの言葉のイメージがあります。今回は、堅苦しい生産管理やサプライチェーンの話はやめて、世の中の在庫的なモノ=在庫っぽい事柄を取り上げてみましょう。

①交通系ICカード
今は自動でチャージする交通系ICカードが多いですが、一昔前は改札で数千円を現金でチャージして使っていました。チャージして電車に乗るたびに残高が減っていきます。どのぐらいの残高があれば安心して電車に何回乗れるか。どれだけ残高が減ればどれだけ発注(=チャージ)するか。こうしたことをICカードでは考えると思います。チャージした金額は腐らないが、正に在庫。私は未だに手動でチャージします。そしてICカードに大きなお金を眠らせておきたくないので少額だけチャージ。結果として、高い頻度で改札で弾かれてしまいます。

②セミナーの座席数
セミナーで予約が入った座席数の話。基本的にセミナーの予約キャンセルは発生してしまうもの。そうすると、100席あったとしたら10%ほど多めに予約を取り、キャンセルが発生しても座席の上限に近くなるように調整します。このキャパシティを見越した予約数の調整は正に在庫。セミナーによっては20%増しで予約を確保したりするそうです。あまりにキャンセルが多いセミナーだと多めに確保するのかもしれません。

③会議で配る資料枚数
会議で10人参加するとします。会議資料を印刷するとき、参加者が突然増えたり、運搬の際に汚すなどのリスク、会議に参加していない方に持ち帰ったりするケースを考慮し、予備で多めに印刷すると思います。そうすると、2,3部を余分に印刷する。それら資料を綴じるためのホッチキスも多めに必要になります。これも在庫ですね。昔は会議で参加者が不意に増えるケースがあり、多めに印刷していた新人時代を思い出します。

④トイレットペーパー
あなたは月にトイレットペーパーを何ロール使いますか。家に何ロールあったら安心しますか。2ロールさえあれば自分の使用量を考えるとあと2週間は大丈夫、などと判断すると思います。逆にドラッグストアやコンビニに行けばすぐ手に入るので心配にならないでしょうか。調達するために要する日数がほぼゼロ。もしくは災害で手に入らない場合に備えて多めに備蓄的に持つでしょうか。これも在庫と考えられます。すぐ手に入るとしても、トイレで用を足している時にトイレットペーパーが切れたりすると悲惨ですので、余裕を持ちましょう。

⑤仕事の余裕バッファ
仕事をこなすとき、どれぐらいの時間で完了することを目指しますか。もしやったことがなく、かつ難しい仕事なら、期日を明確に見積もることは難しいです。4日ほどで終わりそうな気もするがもしかしたら5日かかるかもしれない。そのため、余裕バッファを持って5日を期日に設定したりします。この余裕はいわゆる在庫=バッファになります。組織で連携して仕事をする際に各々がバッファを持ちすぎると、スケジュールが間延びしたりしますが。

こうしてみると、直接在庫として認識されてなくても在庫的なモノは世の中に色々あることがわかりました。これからも世の中の在庫的なモノがあればご紹介していきます。