統計学をビジネスで用いる

統計学は、一昔前に書籍「統計学が最強の学問である(西内啓著/2013年)」が流行ったこともあり市民権を得ました。その後ビッグデータを取れるようになってきて統計学を用いたデータサイエンティストが急務だ!と脚光を浴びる時代になってきました。とはいえ一般的には統計学というと小難しい、とっつきにくい、学問の世界でしか使えない、数学の式が並んでるだけにしか見えない、といった感想が出てくることがあります。

これは

①統計学を用いてビジネスでメリットを感じたことがない
②数学を必要最小限で用いて統計学のビジネス上の効果を引き出せる/説明できる人が少ない

ことが一般に普及しづらい要因だと考えています。②があればおのずと①も解消されるはず、と思います。

そこでまずは統計学をビジネスで用いる上でどんなメリットがあるのかを列挙していきたいと思います。(統計の用語は使いません)

過去の成功体験や、何となくの感覚でマーケよりも営業の方が足使うし正解でしょ、といった意思決定がされることがあります。しかし、統計でデータ分析すると、営業よりもマーケの方が売上への効果が客観的に高そうだからそちらにしようといった意思決定ができます。

一見データを集めて表やグラフ化するとロジカルに分析したように見えます。例えばDMを打ったときに打つ場合60%の反応、打たない場合50%の反応。打った時の反応の方が比率高いのでDM打つべし、ロジカルでしょ、となります。が、DM打ったからそうなったのか偶然そうなったのかどうかはわかりません。そこを統計でデータ分析することでDMを打つと有意水準のp値を踏まえると効果が高い、といった示唆が得られます。

ビジネス上最も効果が高いと思われる利点が3)です。これは、例えばある小売店舗の売上を上げる要素は立地、展開店舗数、XXで広告を打つという風に要素を客観的に科学的に絞り込めることです。企業のリソースが限られている中で、おおよそどの要素に資源を割り振ったらいいかの指針になります。この要素が特定されていないと、とりあえず目についた要素を頑張ってみるか(人を増やしてみるか、営業時間を伸ばしてみるか、ファミリー向け商品無いから足すかなど)という根性論になりがちです。

まずは統計学をビジネスで用いると何がメリットになるのかをご紹介してみました。統計学がもっと世に広まることを期待して。