戦略の立て方 その1

今回は、敢えて戦略の立て方をシンプルに表現してみたいと思います。

①診断する → ②課題を特定する → ③解決策を講じる (→ ③実行する) ※戦略を立てる、意味では③まで

こんな感じにシンプルになります。これだけ?という感想を持たれたかもしれません。ただこれをやってみると難しいことに気づきます。

1 核心的な課題は何かを見極める(言い方を変えると後回しにする/どうてもよい課題を見極める)
ビジネスに限らず、スポーツや勉強でも陥ってしまいがちなのが、網羅的に課題を列挙して網羅的に解決策を実行すること。これの何が悪いのかというと、課題に対する解決策の得られる効果は全て同じではない、全く効果が無い解決策も含まれている、です。イメージとしては、3割ぐらいの課題は捨ててでも、核心的な7割の課題は絶対に解決する、ということです。課題がどんな構造になっているかを丁寧に粘り強く解きほぐし、根っこにある源流を特定する形です。(一言で簡単に核心的な課題を見極める、と書いていますが、これは最も難しい点です。統計手法も絡めていずれBlogで取り扱います)

2 その課題の推進は、手持ちの戦力で現実的に実施可能かを判断する
よくあるのが、解決策は立派なものを掲げるが、自社の戦力では資源の制約上実施できないものがある、ということです。AIでデータ分析して示唆を出す。しかしAIを活用できる社員がいない、といった場合です。更に理想論過ぎて現実的ではない解決策になっているパターンもあります。こちらの方が実はよくあるかもしれません。スケジュールや投入時間、要する費用が楽観的すぎて実は実施できない、といったケース。基幹システムを入れ替えるのに10人で6か月ぐらいあればなんとかなるのでは?といった場合です。「現実的に」という部分が実は難しいところではありますが、これは過去の経験や他社の事例などを踏まえて判断します。

3 戦力を集中して投下する決断を下す
1と2が出来ていれば自ずと3は達成されているはずです。核心的な課題を見極め、現有戦力で現実的に実施可能か検証すれば、あとはその解決策に一気呵成に集中して取り組むだけです。ただ1と2に留意できていても、戦力を逐次投入しているケースがあります。現業の販売や製造の維持に人手も要するから、新たに取り組む解決策は1年で少しづつやっていこう、といった思想だと、核心的な課題と現実的な解決策が揃っていても狙った効果が得られない可能性が高いです。

戦略を立案する際の気を付けるべきポイント3点をまずは取り上げてみました。