マネジメントに不足している点

マネジメントは色々な要素がありますが、組織のマネジメントで特に日本企業で不足していると感じる点を2つ挙げたいと思います。

①ありたい姿の設定

最後の数値目標ではなく、時間軸が短めの定性的な到達地点を示せていないことが多いと思います。

最後の数値目標とは、例えば売上10億円とか販売数100件といった損益に直結するわかりやすい目標値のことを指します。これはほぼどの企業でも掲げているものだと思います。更にそこから分解したKPI数値を設計している企業もあるかと思います。

ただ最後の数値目標は時間軸が長め(1年後とか半年後、月末まで)なので、週や日、行動のレベルでどのレベルまで到達すればよいのかがわからず、ふわっと業務が進むことが多いと感じます。

定性的な到達地点とは、例えば、今日の打合せではどこまでをゴールとするのか?金曜日までに資料をどの状態まで進めるべきか?1on1ミーティングでは何を聞き取りできればOKなのか?といったことです。

こうした時間軸が短めの定性的な到達地点(=ありたい姿)を設定できていないが故に、時間は過ぎたけど何も達成されていない、そもそも何を達成する予定だったんだっけ?どこに行けばいいんだっけ?というのが起こります。

②役割の定義

①と重複する部分もありますが、チームや個人の役割が明確に定義されていないことです。全ての作業までを言語化する必要まではありませんが、概要でも役割を定義することはマストだと考えています。

例えば、このチームは、販売課をサポートすることが役割です。具体的に支援とは、販売課とお客様の日程調整、資料作成/印刷、売掛金回収、契約書の発行etcです。

更に、Aさんは、契約書の発行が役割です。具体的にはお客様の情報、金額をシステムに入力することと、契約文言と内容の整合チェックetcです。今回の改善施策を遂行するにあたり、Bさんは現状業務のヒアリングをCチームから聞き取ることです、など。

こうした役割が定義されていないと、Aさんは周りを見て自分で気づいたことをやってください、とか先輩の真似をしてください、といった不明瞭な指示になったり、売掛金に関する業務をお願いしますといった抽象的な指示になります。

すると、本来担ってもらうべき業務が遂行されない、組織としてやってもらいたい業務とズレたことを実行している、といったことが起こります。結果として①のありたい姿が達成されません。(ありたい姿も描いてないと更に深刻です)

最終的には組織の目標が達成されない着地点に陥る羽目になります。

マネジメントというと、人の管理、という印象がありますが、上記に挙げた2つを設定/定義することはマネジメントの本質部分です。