拙速は巧遅に勝る(新規事業)

今回は新規事業の話。

熱狂的に顧客から愛されるプロダクトになっているか?誰が聞いてもよいアイデアは避けた方が望ましい、などと巷の新規事業の解説には書かれています。勿論、世の中を変える気概を持ったスタートアップならばこのような視点で臨んだ方が望ましいと思います。しかし、通常の企業ではもう少し現実的な考えに則した新規事業を興したい、という考えもあると思います。

そこでシンプルで取組みやすいのが、「まずは見栄えが汚くてもよいから、仮で製品・サービスを作り世に出してみる」ことです。コストを低減するのはロジカルに行えますが、売上を上げるのは水物です。そのため、世に出す前に必ず売れると確信できる製品・サービスはありません。まずは世に問うてみる。

世に問うてみた後で、様々なフィードバックがユーザーから得られると思います。XX機能がもっとほしい、値段が高い、システム操作がしにくいetc これらフィードバックを丹念に潰していくことが基本です。

ここで陥りがちなのが、整品・サービスを完璧に仕上げてから世の中に出そう、という発想。市場が存在するかをまずは調査会社に依頼しよう、ニーズがあるかどうかを机上でインタビューしよう、webサイトは綺麗なものにしよう製造体制をしっかりと整えてからにしよう、etc

既存の製品・サービスを改修するのならばまだこのような発想でもよいのですが、新規事業ではまだ売れるかどうかがわかりません。時間軸が遅く巧みにしようとしても結局世に出してみないとわからないことが多いため、時間軸を速く拙くてもやってみる。これが重要です。

ビジネス経験が豊富で頭の良い人ほど色々な観点やリスクが想起でき、巧遅に陥ってしまう傾向があります。この場面では良い意味で馬鹿になる、という方がうまく進むかもしれません。