世の中には多くの経営コンサルティングのスタイルがあります。無形サービスであるがゆえに、契約して受けてみないと違いがわかりにくいというのが一般の方の本音だと思います。そこで今回は、弊社霧海風の経営コンサルティングスタイルをご理解頂くために、比較対象としてのスタイルをもうひとつ用意することで説明していきたいと思います。比較対象を用意することで、弊社の強い部分と弱い部分が明らかになると思います。
そのスタイルとは、➀処方箋型と②診察型です。
➀処方箋型コンサルティング
このスタイルはその名の通り、病院で患者を診察して処方箋を出す時に、処方箋=解決策を重視することを指します。特徴としては、
・定型化された解決策の提示が中心
・解決策から逆算するのでそれに合う問題が発生していると考える
・本当の問題を探すという発想はない
・実施する解決策が偶然にも問題に合致したときの効果は高い
・定型化されているため費用は安い
・標準的な方法論があり、誰が行っても品質のブレが少ない
・狭い領域の範囲の検討で問題の誤認があるも、解決策の知見は高い
問題が明らかである、単純なときは、解決策が先行するこのスタイルの方が効果が高いことが多いです。なぜならその特性を持った問題を抱えた顧客は、確実に解決できる手段のイメージを明確に持っていることが多いからです。問題と解決策が1対1で更に合致している場合、定型化された標準の解決策の方が手っ取り早いです。例えば、明らかに寝不足で頭が回らない場合に、エナジードリンクを飲む方もいると思いますが、まず寝るという解決策を取るのが一番だ、と誰もがわかるような場合です。変にお金を要しないし、提供する誰もがほぼ同じ品質で実践できます。

②診察型コンサルティング (霧海風のコンサルティングスタイル)
このスタイルはその名の通り、病院で患者を診察して処方箋を出す時に、診察=問題特定を重視することを指します。特徴としては、
・1品1様の柔軟な設計が中心
・問題の特定に時間をかけて集中する
・本当の問題が分かれば解決策は単純でよい、という発想
・問題が特定できたときは確実に速く簡単に解決ができる
・1品1様のため費用は高い
・方法論は有って無いようなもので、実施可能な人は限られる
・幅広い領域の範囲の検討で問題特定は強いも、解決策の知見は薄い~中程度
問題が不明瞭である、複雑なときは、問題特定が先行するこのスタイルの方が効果が高いことが多いです。なぜなら問題があやふやな顧客は確実に解決できる手段のイメージを明確に持っていないからです。このような場合、まずは問題を特定してからにしないと幾ら解決策が優れていたとしても解決には至りません。例えば、売上が上がらない場合に、人員不足なのか、サービス自体が悪いのか、セールストークが悪いのか、ターゲット顧客の選択が悪いのか、といった問題は誰にも明らかにわかるようにはなっていません。企業毎の事情を踏まえたうえで問題を特定し、それに応じた解決策を選択していく必要があります。これは誰もができるわけではなく外部の問題特定の専門家が必要だったりします。

どちらが好ましいのか。これは状況によると思います。一見すると診察型の方が良さそうに見えます。しかし、診察型の問題特定は最初に時間を要するものが多いです。複雑に絡み合う要因から探索する必要があるためです。そうすると時間を長く要します。加えて、その探索のスキルは求められるレベルが高いためプロに依頼をする必要があり、費用を多く要します。一方で処方箋型は問題に対して解決策が容易にイメージできる+その解決策が確実に問題を解消するとわかっている場合は非常に高い効果を素早くもたらしてくれます。どちらが優れているか、というよりも状況によってどちらを選ぶかを選択したほうがよいということになります。
ただ、企業の変革を推進する弊社霧海風の経験上、企業の各種の表面的な問題は多くの要因が絡み合っています。
・KPIが機能していないのはなぜか
・在庫が積み上がっているのはなぜか
・売上が上がっているのに利益が減少しているのはなぜか
・業務効率化を進めているのに業務量が減らないのはなぜか
こうしたことは1つの原因があって1つの解決策が単純にあるわけではないのです。
そのため、世の中の分かり易くて最先端の解決策に飛びつくと、意外と効果に結びつかなかったりします。(偶然にも問題と合致して解決するパターンはあります)現代では製品やサービスの構成や品目が多種多様で、経済も成熟してニーズも多岐に渡っています。こうした中では、多少時間がかかっても、多少費用が多めに発生しても、適切に問題を特定しなければ前に進めない/成長に繋げられない時代だと思います。複雑な問題には診察型こそ最適です。霧海風ではこの診察型アプローチで成果を出しています。