良い事業計画とは何か
前回、一般的な事業計画について取り上げましたが、今回は良い事業計画とは何か、について触れていきたいと思います。良い事業計画とはどんな事業計画ですか?とパッと聞かれたときに考えられるのは、以下が挙げられると思います。
・誰でも理解できる(会計等の専門的な部分は除く)
・複雑すぎない
・無理が無く現実的である
・夢があって壮大である
・夢と現実がバランスしている
・定性(行動)から定量(財務数字)までのロジックが繋がっている
・様々な可能性/リスクが織り込まれている
・不確実性や外部環境の変化を考慮に入れ、可変的である
・試行錯誤の末、練られている
・深く考えられた末に作られている
要約すると、「信頼ができる」「次の行動ができる」「意思決定ができる」ことが言えます。
事業計画を作った後、関係者に見せます。そのとき、良い事業計画だった場合、各関係者はどう反応するか。各関係者の視点で次のような感想を得られると良い事業計画だと判断できます。
自社のメンバー:この計画なら実現できそうだな。ビジョンに夢があるな。明日から私はこれをすればいいんだな。私でも理解できる。
取引先:なるほど、こういう計画か。こういう部分で我々と取引を拡大できるかもしれない。
銀行:数値が試行錯誤の末練られて作られていて現実的だな。これなら返済も懸念ない。むしろこの部分で借入を提案できるかもしれない。
投資家:経営の想いが現れていてよく出来ている。資本と借入のバランス、企業価値に対して根拠もあって納得できる。
コンサル:不確実性やりスクが生じることも考慮し、柔軟な対応やシナリオが描かれているな。VUCAの時代に即していてよい。
戦略家:総花的な取り組みではなく、一点集中で描かれている。いい偏りがあって戦略的だな。
各関係者の感想を見ると、「信頼ができる」「次の行動ができる」「意思決定ができる」となっており、良い事業計画だということがわかります。最終型である良い事業計画をイメージした上で着手すれば、作成の途中で、本当にこれは良い事業計画か?と自問自答ができることができるためよいと思います。良い事業計画がイメージできたので次回以降は、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書といった具体的な部分の作成に言及していきます。