損益効果を狙う場合の業務改善の進め方

業務の改善をしようと思い立った時に、その目的はいくつかあると思います。

今回は、業務の改善が

「残業代の削減」「外注委託費の削減」「パート勤務者の時間短縮」など労務/外注費を低減する

損益の効果に繋がる目的、を考えてみたいと思います。(属人化の防止、業務の整流化、品質向上、承継などは除く)

損益効果に結びつける業務の改善ならば、次のような手順で組織/体系的に行います。
(経営計画で業務改善による効果目標値を部署毎に設定する、の上流の話は今回省きます)

①業務棚卸表の作成
②業務時間の見積
③改善対象の選定
④業務フロー作成
⑤見直し施策の作成
⑥実施/検証

業務改善の取組みでありがちなのが、ある1人の担当者の半径5mで手間を要している業務を改善しようとすること。皆さんで手間を要している業務を挙げて、ひとつひとつ潰していきましょう、といって取組む。そうすると、各々の担当者の手間は解消するも、組織として効率化が達成されたのか?業務時間は短縮されたのか?となると疑問符がつきます。

そうならないために、まずその部署の業務一覧を体系/網羅的に作ります(=①業務棚卸表の作成)。業務を分類するために階層を幾つか作る必要もあります。そしてその業務の年間の時間を、「1回当たりの作業時間×頻度×人数」で見積もります。(=②業務時間の見積)最後に、その業務を積み上げた時間と、所属人数×年間就業時間+残業時間を比較して整合しているかを確認します。(整合しない場合、何をやっているか不明な時間があったりします)

そうして見積もった後に、業務時間のボリュームが大きい×効率化が狙える、が共に「大」である領域のものに絞って特定します。(=③改善対象の選定)こうすることで、組織として業務改善の効果が大きく狙えそうな箇所を設定します。(場合によっては残業が多い、外注が多い、パート勤務者が多い等の業務選定の軸を加えることもあります)

まず①-③に着手しないと、損益効果に繋げる業務改善に着手しようとした場合に活動自体が空回りする可能性が高いです。まずはココを念頭に置いて業務改善を進めましょう。