戦略の立案には決められた型はない
戦略というと定められたステップに従って進める厳粛で形式ばったもの、という印象があります。戦略立案の型は色々とありますが、型通りに進めれば進めるほど過度の標準化に陥ります。
戦略を立案したときの成果物の目次(戦略立案の型)はおおむね以下のようになります。
①現状分析(自社、競合、市場)
②ありたい姿
③課題(現状とありたい姿とのギャップ解消)
④課題遂行のストーリー
⑤行動計画
⑥数値計画
上記の型にしっかり沿えば沿うほど他社と似通ってるな、とか面白くないな、となります。型が多く流布してきたのと、情報収集も同じレベルのものが集められるようになったからです。特に②と④のwhy,whatがおろそかになりがちで、⑤と⑥のhowが重厚になりがちです。こうした型どおりに進めるのも勿論よいのですが、経営の原点に戻ることも必要だと思います。そのためには普段は考えない問いから始めてみるのがよいと思います。
・今まで生き残ってきたのは何が要因か
・自社の市場で今後勝ち残るために必要な要素をひとつだけ挙げるならばなにか
・経営者の野望はなにか
・XX年後に自社が満を持して発する広報にはどのような見出しが載っているか
・何を強めるのか、その結果何が弱まるのか(何が弱点となるのか)
・このままの状態だと自社が死ぬのは何年後か(危機感から発想)
上記の型でいうと②③④にフォーカスするイメージです。
こうして探りながら戦略を立案していく方がワクワク感、独自性や面白さが出てくると思っております。
ある製造業の戦略策定の話。市場縮小で単価減少、原材料高騰の状況。どうしても今後の戦略はコスト削減によりがちになります。しかし改めて自社の強みを見ると、特定地域のシェアを単価を上げながら確保していける算段がつきました。これも型にはまらず探りながら問いを発して考え抜いて戦略を作り上げたものになります。