戦略とは何か
戦略という言葉は、一般的には凄そうな響きがありますし、恰好好さそうでもあります。
一方で、実務経験が豊富な方からすると胡散臭さもあります。
更に、曖昧な言葉であるが故に人によって解釈や定義が異なる言葉でもあります。
極めて簡単ですが、戦略の定義を整理してみます。
・企業の課題解決や目標達成のために、進むべき方向性やシナリオのこと
・戦の謀り事。戦いに勝つための大局的な方法や策略。 戦術より上位の概念。
・特定の目的を達成するために、長期・大局的視野に基づいて組織行動を立案・遂行するための策略
世の中の定義からすると、上記の通りですが、私が考える戦略とは、文字通り
「戦いを略す」です。
限りある現有戦力のうち、目的に対してどこに戦力を集中するのか、それによって戦いの場を絞る=略す、ということです。(勿論、戦いを興す前に決着をつける、という意味での政治力や盤外の謀略による戦いの省略の意味もあります)
そのため、戦略、と語る場合、何かに注力することで何かを捨てている=弱くなっている、と言えます。もし戦略を語る場合は、逆説的な見方かもしれませんが、何を捨てるのか、何が弱くなるのか、が明確になっている必要があります。
例えば、10人のメンバーがいるとき、営業と開発と経理、どこに配分するかを考えます。「営業が重要」戦略ならば、営業7人、開発2人、経理1人、といった構成にします。これは、メンバー人員の制約を考慮して営業に注力することで、商品開発と経理が「弱く」なっています。これが適切な戦略です。