ビジネスは安定すると死にやすく、不安定だと生き残りやすい

直感に反するタイトルから入ります。通常ビジネスは安定すれば生き残り易く、不安定だと死にやすい、と感じると思います。

まず安定/不安定とはどういうことでしょうか・ビジネスパーソンを例にとって考えてみましょう。

企業に勤めている正社員の方は、毎月一定額の給料が入ってきます。これは生活が安定していると言えます。なぜならば企業の業績が落ちようとも、給料は基本的には一定額が入ってきます。業績連動の報酬やボーナスは変わるかもしれませんが基本的には安定しています。

一方、自営業の方(webデザイナー、タクシー運転手など)は、毎月一定額の給料は入ってきません。これは生活が不安定であると言えます。なぜならば自分で営む商売の売上が落ちると、即収入も減ってしまうからです。勿論企業による中抜きが無いため、サラリーマンよりも収入は多いかもしれませんが基本的には不安定です。

ならばなぜ安定すると死にやすく、不安定だと生き残りやすいのか。

人は自分が取り組んでいる仕事や、所属している組織が安定的であればあるほど、自らを変えなければ、新しいスキルを身に着けなければ、市場の変化に対応しなければ、という気持ちは段々と薄れていきます。短期的には仕事を頑張っても給与は安定しているし、業績が下がっても給与は安定しているからです。但し長期的には時代の流れに対応できず取り残されていきます。結果死にやすくなります。

自営業の方であれば、毎日が不安定です。来月売上がゼロになれば、貯蓄が無ければ生活を心配しなければなりません。セールスをもっとしなければ、自分の売り物を増やさなければ、市場では今何を求めているのか、に非常に敏感になります。短期的には収入の上下は激しいですが、長期的には危機感をもって柔軟に市場に対応することで生き残り易くなります。

イメージしやすいためビジネスパーソンを例に挙げましたが、企業でも同じことです。安定すればするほど危機感が薄れて企業は長期的には死にやすくなります。業績が安定していると感じたら、敢えて不安定なこと(=新規事業の立ち上げなど)にチャレンジする、というのもありかもしれません。