ブログ - 企業変革 データ分析 業績改善 株式会社霧海風

Blogブログ
2025-12-5 戦略 データ分析と統計

データ分析って結局なぜ大事? Pythonと一緒に背景から整理してみる

近年、ビジネスの場で「データ分析」という言葉を耳にする機会が大きく増えました。膨大なデータを集めて示唆を導き出し、経営・業務の改善につなげる——そうした考え方は決して新しいものではありませんが、2010年代以降に一気に注目度が高まっています。21世紀の石油はデータである、こんな言葉もあります。同じ時期に存在感を強めたのが、プログラミング言語のPython(パイソン)です。

この記事では、データ分析が重視されるようになった背景を整理しつつ、Pythonがなぜ脚光を浴びたのか、そしてビジネスにおいてどのように役立つのかを解説します。(※技術解説ではなく、業績向上や実務という観点に限定して扱います)

■データ分析がビジネスで不可欠になった背景

2010年代以降の潮流を整理すると、次の変化が大きく影響しています。

①データ量の爆発的増加

EC、SNS、スマホ、IoT、センサー、キャッシュレス、SaaSなどの普及により、企業が扱うデータ量が急増。従来の勘や経験に頼る運営だけでは最適化が難しくなり、データを根拠とした意思決定へのニーズが高まりました。

②分析が現実的な選択肢に

クラウド・GPU・分散処理・ストレージ低価格化により、扱えるデータ量が飛躍的に拡大。「やりたいが技術的に難しい」から「実務で活用できる」に環境が変わりました。

③競争要因が「製品中心」から「データ中心」へ

多くの産業で製品・サービスだけの差別化が難しくなり、データを使った最適化が成果を左右する時代にシフト。

マーケティング:LTV最大化、パーソナライズ、解約予測
物流:需要予測による在庫・配送最適化
製造:品質管理、予兆保全
金融:不正検知、審査モデル
分析できる企業とできない企業の競争力差が拡大しています。

④AI・機械学習の普及でビジネスインパクトが明確に

分析の役割が「現状の可視化」から「未来の予測・自動化」へ拡大し、経営層の関心が高まりました。

⑤専門部署だけに閉じない利用環境が整った

BIツールやクラウドAIなどの普及により、専門知識を持つ技術者以外でもデータ活用が可能に。

⑥経営改革・DXの中核領域に

データ活用は業務改善ではなく、事業・組織・戦略に直結する投資テーマへ。

データが少ない時代は、勘と経験が中心となっており、そこから徐々にデータが取れるようになると分析しなければ競争できない時代になりました。その後、DX/AIの時代になると分析自体が自動化・高度化し、事業改革・競争戦略に不可欠になってきました。このようにしてデータ分析がより身近で重要な時代になってきたのです。

■pythonが脚光が浴びた理由

こうした時代の中で、pythonに注目が集まった理由は、技術面の優位性というより「時代の要求と最も相性がよかった言語だった」ことが大きいです。データ活用が広がる中でPythonが優勢となったのは「時代の要請と最も相性が良かった」ことが大きいです。

① データ分析・AI向けのライブラリが充実

数学・統計・可視化・機械学習に特化したツールが揃っており、実務で使える環境が早期に整いました。例:NumPy、Pandas、Matplotlib などの便利な道具のセット(=ライブラリ)

② 機械学習フレームワークの標準言語として採用

AI分野の主要フレームワークがPythonを中心に設計され、一気に存在感が拡大。例:TensorFlow、PyTorch、scikit-learn などの深層・機械学習ライブラリ

③ 学習コストが低く、幅広い職種に受け入れられた

文法が平易で、エンジニア以外(経営・企画・マーケ・研究者など)にも普及。「人材が確保しやすい言語」であることは企業側の導入判断にも寄与しました。

④ 研究から実装まで一貫して使える

データ取得 → 分析 → モデル構築 → システム連携までを単一言語で完結できることが、企業の採用を後押ししました。

■pythonで何ができるか

1つの用途に特化した言語ではなく、さまざまな分野で利用されています。以下分野による例をいくつか挙げます。

分野 例
〇日常・業務自動化・・・ Excelやファイルの自動整理、定型作業の自動化
〇データ分析・・・売上分析、顧客分析、アクセス解析
〇AI・機械学習・・・顔認識、予測モデル、チャットAI
〇Webサービス・・・ネットショップ・SNS・予約システムなど
〇アプリ開発・・・スマホアプリ・デスクトップアプリ
〇ロボット・IoT・・・センサー制御・画像認識

■現場での活用状況

pythonの活用は現場でも進んでいます。弊社でも、pythonをコンサル支援でデータ分析や統計を使うときに用いています。基本的には分析はExcelで行いますが、データ加工の処理が重たい場合や、用いる統計手法が複雑な場合にpythonを用います。

データ分析やPythonの導入は目的ではなく、業績向上のための手段です。自社にとって「どの課題に対し」「どのデータをどう使うと成果につながるのか」──この視点が出発点になります。

同じカテゴリーの記事