スタートアップサーベイ2024年 三井住友信託銀行

三井住友信託銀行から、国内スタートアップ企業における事業戦略、資金調達・資本政策、人材戦略、ガバナンス等における対応状況の実態調査が実施された結果が発表されました。対象は、IPO等でEXITを志向する国内スタートアップ企業724社です。

240607.pdf (smtb.jp)

その中で興味を持った結果を抜粋して取り上げます。

CEOの報酬は、高い層と低い層で二極化が進んでいることに驚きました。最頻値で比較すると、CFO、CTO、COOより低い報酬水準のCXOが多く存在するということです。この現象の仮説として3つ考えています。①創業者は自社/自らのビジョンの達成と利益を確保するために、敢えて自らの報酬を抑え、優秀なCFO,CTO,COOなどを雇っている②別の企業でIPOを達成した経験豊富なCFO,COO,CTOが目的を達成したため退社、その後後続の企業に貢献するために入社した③売上高が低い/社歴が浅い企業はCEOしかおらず、報酬水準が低いCEOの母数が多くなる、が考えられます。対象企業のうち売上高20億円以上の企業が12%存在するとはいえ、CXOの半分が1000万円以上の報酬を得ているのは時代が変わってきたことを感じます。

CFOはかなりスーパーマン化してきている印象です。一昔前だと金回り(資金調達、M&Aなど)とガバナンス(上場準備など)の部分を押さえておけば優秀でした。現在ではチームマネジメント、経営戦略、経営企画もこなしているCFOが多い結果となりました。やはり金庫番はNo2として必須ですし、令和の時代では財務と事業をシームレスに捉える必要性が高くなってきているので、CFOが経営企画周りも担う趨勢になってきているのかなと感じました。一方で、COOはチームマネジメントに重きを置くような棲み分けがあるかのかな、と。アンケートには営業の項目が無いので、営業があればぶっちぎりでCOOだとは思います。