コスト削減の第1歩
企業の経営において業績を上げようとする場合、基本的には売上を上げるかコストを下げるか、の二択になります。売上を上げるのは外部市場の影響も大きいため読みづらく確度もそこまで高くない、そのため確実に効果が上がるコスト削減に取り組もう、となります。企業によっては、コスト削減よりもまず売上を伸ばしたほうが良い局面もあります。業種に依りますが売上10-30億円以下だとまず売上を上げることを優先されたほうが望ましいと考えます。それ以上の規模になると、コストの費目が多くなる、発生の仕方が複雑になってきて組織メンバーから見えづらくなってきます。イコール削減の余地が出てくることになります。
今回は、コスト削減の第1歩の取組みについて取り上げます。
コスト削減の取組みは、1回やったら終わりではなく、定期的に見直す必要があります。家計の断捨離を想像するとすぐ理解できますが、去年はお金の使い方を見直して無駄使いを減らしたのに、今年は知らない間にお金が多く出ていっている、ということがあったりします。
まず第1に取組むべきは、費用のパレート図作成です。どの費用がどれだけ要しているかをグラフで可視化します。直接材と間接材に分けて可視化します。20対80の法則、というのがありますが、20の費用項目で80の費用額を占めるといったことがわかったりします。
直接材と間接材の違いについて記載します。
直接材/サービス
売上/製品に直接的に貢献する品目/サービス。材料、部品、外注委託費、ロイヤルティなど
間接材/サービス
売上/製品に間接的に貢献する品目/サービス。補助材料、工具、消耗品、事務所清掃費、会費など
上記のうち、初めに取組むべき対象は、「間接材×金額が大」とします。削減するときの効果が大きく、かつ削減の余地が大きい可能性が高いからです。
なぜ間接材だと削減の余地が大きいかというと、以下の理由があります。
直接材と比較すると、
①金額が小さく、意識が割かれていない
②品目数が多く、管理の負荷が大きい→1品目ごとの管理が薄い
③専任の担当者がいない
④削減効果がそもそも小さいと思われている
⑤置き換え/変更が少なく前例踏襲となっている
⑥提供材/サービスの品質に影響が少ない(スイッチングが容易)
コスト削減にはまず直接材と間接材でコスト構造の可視化をしてみることをオススメします。案外企業の内部では行われていなかったりします。