過去の弊社の投稿で、コスト削減には間接材にまずは取組んでみましょう、という流れでした。間接材は、企業の売上高に占める割合が業種によって差はありますが、10-20%程度だと言われています。間接材コストは、外注費や地代家賃、販促費、物流費、通信使、水道光熱費、消耗品費などが挙げられます。これらに着手するわけですが、このコスト削減が進まない原因があります。それを今回は取り上げてみましょう。
間接材のコスト削減が進まない大きな理由として、「一元管理ができていない」ことが挙げられます。
一元管理ができていれば、大きな視野でトップダウンでコスト削減を図れます。また、発注量を纏められれば単価は抑えられるし、一元管理の中で仕様や交渉も標準化、横展開ができたりするからです。一元管理ができていない理由として、大きく5つほどあります。
①管轄する部署が分かれて個別で契約している
間接材は品目が多く、全社的に一元管理できていないものが多いです。また少額の品目が多いので、纏めて管理する手間と効果のバランスが悪いというのも挙げられます。費用の総額は経理で把握できているものの、工場Aの通信費、事業所Bの水道料金など細かく分かれていてそれぞれの部署が独自に行っています。
②購買を取り纏める専門の部署が存在しない
勿論支払は経理部署や事業所の経理担当が取り纏めて行っていますが、発注の内容を把握して価格や仕様の妥当性を評価する、といったことを集約して行う専門部署が存在しないという意味です。金額の枠の管理だけで、中身の精査や牽制は無し、といった状況が生まれています。
③担当者に一任され、中身が不明瞭
長期間に渡り、同じ担当者が特定の領域や品目に固定され、かつ一任されていると、実際に取引先とどう契約してどう発注しているかが不明瞭になっているケースがあります。ブラックボックス化しており、上位者であっても中身を知らないといったことが起こっています。
④外部ベンダーに丸投げし、社内に実績データがない
社内の現場担当者の手元に詳細な実績データがなく、取引状況は取引先企業側でないとわからないという状況です。特にIT開発や経理BPOなどの業務委託での外注は工数、依頼内容、単価、期間といった条件が長い間にうやむやになっていることもあり実態がわからなくなっています。
⑤一元管理するシステムが存在しない
間接材を管理できるシステムは、大企業向けのものは充実したものが幾つかあるのですが、高額な投資となるため、中堅中小企業は導入しにくいため導入されていないことが多いです。Amazonと連携したジョブカン購買管理や、freee支出管理などワークフローの承認機能も含めた小規模向けのツールが最近は出てきてはいますので
ここは期待したいところです。
まずコスト削減が進まない大きな原因として「一元管理ができていない」を取り上げ、その理由として5つ挙げてみました。他にもコスト削減が進まない原因はあるのですが、まず一元管理を行うことに取組みを始めてみるのもよいと思います。