捨てる=戦略

弊社の強みとして前回、課題創造の点を挙げました。今回は、捨てる=戦略を扱いたいと思います。まず「戦略」という字は、分解すると「戦い」を「略す」となります。戦いを省略する、そもそも戦わないことを目指す、戦う場所を制限する、という意味合いです。どう戦うか、というのは戦術の話で、戦略は戦う/戦わない範囲をどこにするのか、どこを捨てるのか、となります。そのため、捨てる=戦略とタイトルに書きました。

弊社ホームページの強みタブの6個のうち、2つめの強みは、

②扇の要を見抜いた「捨てる」戦術(=論点の絞り込み)の立案

です。これを解説していきます。

企業は、限りある資源で売上/利益を上げていかなければなりません。限りある資源とは、

①カネ ②モノ ③ヒト ④時間 ⑤情報

ざっと5つあります。湯水のように資源があって、制約が一切無い企業は存在しません。そのため、持てるカードの中で全力を尽くす必要があります。満遍なく色々なことに注力していると全てが目標とする水準まで届かなくなってきます。小さい企業であればあるほど持っている資源が少ないため、より取組み範囲を絞り込む必要があります。(いわゆるランチェスター戦略、というものです)逆に言うと、時間やヒトに余裕がある企業は、制約が緩いため、取組む範囲を絞らなくてもなんとかなっているケースがあったりします。悪くいうと、資源が枯渇する危機感をもっていない、ということです。

さて、資源の制約がある中で行わなければならないのは、以下二つです。

①取組む領域の絞り込み
②優先順位の決定
③論点の設定

①②二つ共に共通するのは、「捨てる」ことです。不安だから手広くやっておこう、満遍なくやれば何か大当たりするかもしれない、というのを止めます。不安だから製品のラインナップをなるべく広げたい、顧客をとりあえず数多く当たりたい、という人間の不安は根底に存在するので脱却するのは難しいですが、そこを打破します。弊社は、①②③の取組みに拘ります。例えば営業活動をするときに、どんな顧客を狙うのか/狙わないのか、狙う顧客の優先順位は?を必ず設定します。そして③です。論点の設定は少しイメージがつきにくいと思いますが、適切に解くべきテーマを設定するということです。

同じく営業活動でいえば、解くべきテーマは、

1)営業時間が足りないから効率化するべきか
2)商品の良さが伝わらないから販促メッセージを見直すのか
3)そもそも営業活動の人員が足りてないから採用するのか
4)人を雇っても教育が不十分だから強化するのか
5)ターゲットユーザーを散漫に営業しているから絞り込む必要があるのか
6)マーケティング部門と連携が取れていないから情報共有の場を設けるのか etc

今まさに解くべきテーマはなんなのか?を設定することで捨てる=戦略が完成します。ここができていないと、取組む領域を絞り込んで優先順位を決定したとしても、違う方角に進んでいってしまいます。そうすると元も子もありません。売れ行きがよくて明らかに営業の手が足りない時に、チラシのデザインが論点だ!とせっせと凝ってしまうと、明後日の方向にいってしまいます。

この3点をセットで取組めるところに、弊社の強みがあります。特に③のところは、様々な業界や規模の企業様を支援させて頂く中で経験値が高いと自負しております。弊社は、管理間接や企画系の領域を支援させて頂くことが多いです。(製造の技術開発やデザイン/脚本などの職人特化系の領域は弊社は支援できません)その前提もあるため、異なる業界の論点の違いよりも、大企業と中小企業の企業規模の論点の違い、の方が大きい、と感じることが多いです。いずれこの点については取り扱います。